2024.02.01
『車いすのワンコ』
佐賀に営業に行った時の話です。少し時間が空いたのでコンビニの駐車場に止めていました。道を挟んだ向こう側に、小さな牧場のようなスペースがあって、そこに沢山のワンちゃんがいました。恐らく、保護犬を預かっている施設だと思います。横には管理人が常駐する用の建物が併設しています。
その運動スペースでは15匹くらいのワンちゃんが思い思いに遊んでいます。
ただ端っこに一匹、全然身動きをとらないワンちゃんがいました。
よーく見てみると体の後ろの方に車輪のようなものがついています。
そうです。体に板と車輪を付けた文字通り車いすのワンコです。
もしかしたら交通事故などで下半身が動けなくなったのでしょうか。自力では歩けないようになり、手作りの車いすを付けて、じっと遊ぶ犬たちを傍観していました。
“せっかくの人生(ワン生?)で大変だったんだな…かわいそうに…”
そんな風に見ていたら、隣の管理人の建物から両手いっぱいにワンちゃんのご飯を持っておじ様が出てきました。 それを見るや否や、すべてのワンちゃんがおじさまに向かって走り出します。すると、外のワンちゃんを置き去りにするかのようにゴボウ抜きにするワンちゃんがいます。車いすのワンちゃんです。
ほぼ、車輪は宙に浮いた状態で、とんでもないスピード。 一番におじさまの元へ到着。
びっくりしました。“一番 速いやん… さっきまで可哀そうと思ってたのに… とんでもなく元気やん… なんならNO1やん…”
私たちも周りの人を見て、この環境だから大変だろうな… こんな状況だと可哀そうに…
と“勝手”に思うことがあります。そして勝手に同情しています。
本当にそうでしょうか?その人と話してみなければわからないことがいっぱいです。
もっと話して、もっと観察して、そして本当に必要であれば、そこに手を差し伸べられる
いつだってそれが出来る人間でありたいです。